虫歯について
虫歯とは
歯が健康な状態から虫歯になるまでは、1カ月ほどかかると言われています。
しかし、エナメル質が薄い・虫歯菌に対する抵抗性が低い「乳歯」や「萌出して数年以内の永久歯」はこれよりも短い期間で虫歯が発生し、さらにその後の進行も早くなります。
部位別では歯の根は、歯冠部(普段見えている部分)よりも虫歯の進行が早くなります。
加齢、歯周病などによって歯茎が下がって歯の根が露出している場合には、注意が必要です。
虫歯の原因について
虫歯の原因は、ミュータンス菌などの虫歯菌が出す酸によって、歯が溶かされることです。
そして虫歯菌は、プラーク(歯垢)にたくさん潜んでいます。
虫歯菌の栄養源となる「糖分を摂りすぎる」、食後に「すぐ歯を磨かない」、加齢などによって「唾液の分泌量が低下する」といった、さまざまな要因が重なることで、虫歯のリスクが高くなります。
治療の痛みに対する医院の
配慮について
痛みを伴う治療の際には表面麻酔(塗り薬)を使い、治療する場所の感覚を少し鈍くします。
感覚が鈍くなったところに、局所麻酔(注射)を行うことで、麻酔の際の痛みをできるだけ少なくなります。
局所麻酔の効果が表れると痛みなく治療を受けていただくことがきます。
虫歯の進行と治療
虫歯の段階(CO~C4)により
治療法が異なります。
C0:歯の外側層
歯の一番外側の層、エナメル質が少しずつ溶けだしています。
症状
この段階ではまだ無症状です。
基本的な治療法
毎日の丁寧なブラッシング、歯科医院でのフッ素塗布によって、歯を削らずに治すことが可能です。
C1:エナメル質の虫歯
エナメル質に、穴があいてしまいました。
エナメル質の下の象牙質にはまだ達していません。
症状
- 歯の部分的な白濁
- 歯の部分的な茶色っぽい変色
基本的な治療法
虫歯部分を削り、コンポジットレジンを充填します。
C2:象牙質に達した虫歯
虫歯の侵食が、象牙質にまで達しました。
肉眼でもなんとか分かるほどの穴があきます。
症状
- 冷たいもの、甘い物がしみる(痛い)
- 奥歯の溝に沿った黒い変色
- デンタルフロスが引っかかる、毛羽立つ
基本的な治療法
虫歯部分を削り、型取りをして、詰め物を作製・取り付けます。
C3:歯髄(神経)に達した虫歯
虫歯の侵食が、象牙質のさらに奥、歯の中心にある歯髄にまで達しました
症状
- ズキズキとした慢性的な痛み
- 温かいものがしみる
- 基本的な治療法
基本的な治療法
虫歯部分を削って神経を除去する「根管治療」が必要になります。その上で、型取りをして、被せ物を作製・取り付けます。
C4:歯質が失われた虫歯
虫歯の侵食が歯冠部
(歯の外から見えている範囲)をほとんどに及び、歯の根だけが残っています。
炎症が歯の根への広がり、膿のかたまりを生じさせることもあります。
症状
- 神経が死ぬことで一時的に痛みがなくなるが、その後炎症が歯の根に拡大すると、激しい痛みに見舞われる
- 発熱を伴うことも
基本的な治療法
抜歯を検討せざるを得ません。
抜歯後は、入れ歯、インプラント、ブリッジなどの治療が必要になります。